人が 大人になるという事は、
それだけ多くの選択をしてきたという事だ。
何かを選ぶという事は、
その分違う何かを失うという事で、
大人になって何かを選んだ喜びは、
ここまでやったという思いと、
ここまでしかやれなかったという思いを、
同時に思い知る事でもある。
だからこそ人は、
自分の選んだ小さな世界を
守り続けるしかない。
選択が 間違っていたと認めてしまったら、
何も 残らないから。
でも、その掴んだ何かがたとえ小さくとも、
確実にここにあるのならば、
掴んだ自分に誇りを持とう。
勇気を出して
何かを選んだ過去の自分を褒めてやろう。
よく頑張って生きてきた、
そう言ってやろう。
そして、これからを夢見よう。
世界を嘆くのではなく、
世界を信じるんだ。
私だって、その世界の一員なんだから。
48歳の若造は、
今、そんな風に思う。
(吉野千明)